AKB48にはたくさんの名曲や神曲がある。世間の知名度で言えば、「ヘビーローテーション」「恋するフォーチュンクッキー」「365日の紙飛行機」もそれらに入るだろう。
しかし、AKB48の名曲、神曲たちはシングル表題だけでない。カップリングやアルバム、劇場公演の楽曲の中にももっと評価されるべき楽曲がたくさんある。
そこで今回はAKB48の隠れた名曲をカップリングやアルバム、劇場公演の楽曲の中からご紹介しよう。なお、AKB48の楽曲はいろんな作曲家が参加しているので、こちらの記事は成瀬英樹氏(成瀬氏のペンネーム・you-me名義の作品含む)の作品縛りでご紹介していくものとする。
出典:https://https://twitter.com/
【目次】
劇場公演やカップリングも神曲が多数の成瀬英樹(you-me)
まず、成瀬英樹氏(you-me)がどんな人物かについて軽く触れておこう。成瀬英樹氏(you-me)は、「BINGO!」や「君はメロディー」の作曲家だ。また、前田敦子「君は僕だ」「タイムマシンなんていらない」の作曲者である。(「BINGO!」以外you-me名義)
この時点で成瀬英樹氏(you-me)が天才であることはわかっていただけると思うが、成瀬氏の功績は表題だけではない。カップリングやアルバム、劇場公演の楽曲にも名曲や神曲がたくさんある。
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では、早速本題へいってみよう。
愛とプライド
「愛とプライド」は、劇場公演『ひまわり組 2nd Stage「夢を死なせるわけにいかない」』の楽曲。
劇場公演の楽曲はファンの間でも隠れた名曲と評価されるものが多いが、メンバー人気の高い楽曲も多い。この「愛とプライド」も例外ではなく、指原莉乃や向井地美音が好きな楽曲として挙げている。
成瀬氏は編曲には携わっていないが、イントロのビーチボーイズ風味のコーラスはおそらく成瀬氏のデモにあったのだろう。というのも成瀬氏はビーチボーイズをリスペクトしており、「11月のアンクレット」にビーチボーイズ要素をプラスしたオリジナルアレンジを自身のYouTubeで公開している。
愛の毛布
こちらも「愛とプライド」同様、劇場公演『ひまわり組 2nd Stage「夢を死なせるわけにいかない」』の楽曲で、メジャー7作目のシングル「ロマンス、イラネ」のカップリングとしても収録された。
個人的に成瀬氏の中でも特に好きな楽曲だ、今聴くと坂道が歌ってそうな曲調でもあり、改めてAKB48の楽曲における幅広さを感じる。
「愛の毛布」というタイトル通り温かい歌詞で、成瀬氏の温かくもどこか切ないメロディーと非常にマッチした名曲だ。
ごめんね ジュエル
ちなみに昨年末リリースの柏木由紀さんの「そっけない君」もAKB48の「ごめんねジュエル」も98年に作った未発表曲です。頭から尻尾までメロは一切変えてません。29歳のオレ、めっちゃ頑張ってくれてありがとう。https://t.co/3JRtAMHA6G
— 成瀬英樹 you-me (@h_naruse) November 9, 2019
「ごめんね ジュエル」は、劇場公演『チームK 4th Stage「最終ベルが鳴る」の楽曲。
成瀬氏のツイートでも触れられているが、実は元々成瀬氏が所属しているバンド「FOUR TRIPS」用に制作されていた楽曲。それをAKB48のコンペに提出したのだ。だが、そうとは思えないくらい見事にTeamKにハマっている。
この曲に限らず、成瀬氏のメロディーはアイドルが歌うべきポップさと上品で繊細故の大人な雰囲気の両方を兼ね備えているので、増田・大島優・倉持・宮澤といった当時のオリメンにしっかりハマっていたのだろう。
成瀬氏の才能もさることながら、やはり秋元先生の選曲センスも改めて感じる。杉山勝彦氏とのYouTube配信でAkira Sunset氏が語っていたように、王道のアイドルポップだけでなく普通のアーティストが歌うような楽曲も採用するからこそAKB48には様々な名曲、神曲が生まれるのだと思う。
そばかすのキス
「そばかすのキス」は、劇場公演『チームB 4th Stage「アイドルの夜明け」』の楽曲。
別れた恋人のことを女子目線で歌った少し切ない歌詞で、成瀬氏のどこか80年代を彷彿とさせる歌謡曲チックな明るくも切ないメロディーとモータウンビートが非常にマッチした大の名曲。この普遍性こそ、AKB48の真骨頂であり成瀬氏の真骨頂かもしれない。
ちなみに成瀬氏はモータウンビートの楽曲を得意としており、NMBに提供した「休戦協定」(you-me名義で提供)もその1つだ。
街角のパーティー
「街角のパーティー」は、劇場公演『チームK 5th Stage「逆上がり」』の楽曲。
この楽曲については、以下の記事で語っているのでそちらを読んで頂きたい。
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それにしても、劇場公演にいかに隠れた名曲があるかを再認識している。
ひこうき雲
「ひこうき雲」は、劇場公演『チームA 5th Stage「恋愛禁止条例」』の楽曲で、歌唱メンバーを変更した形で14作目のシングル「RIVER」のカップリングとしても収録されている。
こちらは、なんといってもライブのラストの定番曲として人気を集めた。タオルを振り回すのが実に楽しい。「大声ダイヤモンド」のようにめちゃくちゃ弾けた楽曲ではないが、コンサートで盛り上がる曲はやはりアイドル曲として強い。
しかし…これは成瀬氏本人も語っていたが、そもそもそんなに明るい歌詞でもないのにあんなタオル回して盛り上がる曲定番曲になったのはちょっと面白い。でも、この曲があることでライブがより締まるのも確か。
カフカとでんでんむChu !
「カフカとでんでんむChu !」は、AKB48のメジャー40作目のシングル「僕たちは戦わない」のカップリング。でんでんむChuとは大和田南那、川本紗矢、田中美久、谷口めぐ、向井地美音、村山彩希、矢吹奈子によるユニットである。
歌詞、曲ともにぶっ飛んでいるが意外と(といったらあれだが)メロディーライン自体は美しい。個人的には成瀬氏の曲の中でもかなりお気に入りで、シンプルに神曲だと思っている。
タイトル的にカップリング感は否めないが、でんでんむChuをAKB48の派生ユニットとしている出し、この曲を表題にしてもよかったのではないだろうか?それくいらい名曲だと思う。
なお、こちらはyou-me名義での提供。
お姉さんの独り言
「お姉さんの独り言」は、AKB48のメジャー42作目のシングル「唇にBe My Baby」のカップリング。
こちらはTeam Kの楽曲だが、当時のTeam Kには山本彩、松井珠理奈、峯岸みなみ、向井地美音、武藤十夢、茂木忍など今思うとかなり豪華メンバーだった。特に、当時はまだ選抜経験ゼロだった茂木忍が数年後に選抜を果たすというのはなかなか感慨深いものがある。
成瀬氏は織田哲郎氏もリスペクトしており、この曲は織田氏のオマージュであり、「鈴懸なんちゃら」に対する成瀬氏なりの返答だったとのこと。「鈴懸なんちゃら」は個人的にAKB48の中でもトップクラスに名曲だと思っているが、「お姉さんの独り言」も神曲だと思う。
また、成瀬氏曰く、デモはうちょっとオールディーズ風味のビーチ・ボーイズあたりを想定して作ったとのこと。
ちなみに、SKE48の派生ユニット・トランジットガールズの「だって 雨じゃない?」も成瀬氏作曲だが、こちららも織田哲郎氏リスペクトで作った楽曲で、成瀬氏がZARDに曲を書いたなら、という仮定で作ったそう。
なお、こちらも「カフカとでんでんむChu !」同様you-me名義での提供。
AKB48は名曲揃い
以上、成瀬英樹氏(you-me)編AKB48の隠れた名曲紹介でした。
ちなみに2023年1月時点での成瀬氏の作曲家としての最新作は2021年に採用された乃木坂46「全部夢のまま」。48グループではないが、AKB48の楽曲が好きな方は聴いて損はないと思うので聴いてみて欲しい。
今後も成瀬氏にはAKB48に神曲をつくっていってもらいたい。成瀬氏作曲の表題も聴きたいものだ。